学外活動(2023-)


2023年5月9日 学術変革領域A『自己指向性免疫』領域班会議

 阪大微研山﨑晶教授が領域長の学変A『自己指向性免疫』の公募班に加えて頂けましたので、最初の領域班会議に参加して参りました。特にInnate T cell関連の内在性リガンドを探し出そうという、本気のトライアルに向かい、若手から大御所の先生方まで一団と目的に向かい研究されている雰囲気に感激しました。結晶構造解析や次世代シークエンサーは当然ですが、脂質や代謝産物のマス解析が進歩し、コンパウンドから糖鎖までさまざまなマテリアルのライブライリーが充実したことで、これまで蛋白解析だけだったMHCに載る物質の探索が一気に加速しているようです。我々も遅れを取らないよう日々精進しよう、と思い知らされた良い会議でした。


2023年4月14日 第4回Learn中外eセミナー

2021年に続き、都立駒込病院腫瘍内科の下山達先生のお取り計らいでセミナー開催が実現しました。駒込病院では順調にCAR-T細胞療法の症例を増やしており、日本で治療が始まった当初から、全国のまとめ役として当該治療の中核病院としての役割を果たし、現在、大学病院を中心とする40以上の施設とネットワークを構築しているとのことです。その過程で臨床研究の一部を癌研有明病院がん免疫治療開発部門と開始しているとのことで、同部門の北野滋久先生が司会をお執りになったと。超多忙な先生にどうして?という疑問が解消されました。この後の食事会で、北野先生が国がんから癌研に赴任後、海外治験をゼロから40超まで伸ばしたこと、旧帝大を始め全国から研究志向の若い先生が集まって来ていること、我々の世代が頑張らない限り日本の医療の未来はないことを切実の話される姿に、明るい気持ちになりました。先日ロシアでお亡くなりになった珠玖先生イズムはがん免疫の色々なところで生きているのだと(知らなかったのですが、製薬会社のライセンスの関係で、通常のCARが使えないブラジルやロシアだからこそ頻回に足を運んでいたそうです)。お手配頂きました石川裕介様はじめ中外製薬のみなさま色々と有り難うございました。


2023年3月16日 第20回日本臨床腫瘍学会学術集会

岡山大学学術研究領域医歯薬学域冨樫庸介先生からお誘い戴き、シンポジウムに参加してきました。"Next cancer immunotherapy beyond PD-1 blockade"という大それたセッションですが、赴任してまだ間もないのに国がん時代から継続的にご研究されている冨樫先生、PD-1とLAG3に関しては今や世界一の基礎研究をされている岡崎拓先生のご講演をまとまって拝聴でき、大変勉強になりました。むしろU-PennnのMassane M Zarourの講演が臨床に近い現象論の羅列で、科学的な面白さには欠けていました。学会全体ではありとあらゆる腫瘍に関わる分野とお医者さんとで溢れた巨大な空間でした。久しぶりに気に入ったコングレバッグが支給されました。

 


2023年2月10日 第45回日本造血・免疫細胞療法学会総会

名古屋大学分子細胞免疫学分野教授、赤塚美樹先生のご好意で、同会で教育講演をさせて頂きました。Webで1週間視聴が可能とのことで、沢山のコンテンツがアップロードされており、血液内科分野をはじめとして免疫治療に関する学習のニーズが若い先生方に期待されているだろうということを感じました。ボクの講演内容は「超解像イメージングが解明するCAR-T細胞療法とICI療法のシグナル伝達 High-resolution imaging reveals T cell signaling during treatment with ICIs or CARs」で、今のCAR-T細胞療法普及と研究推進における分子イメージングからのメカニズムの提案です。